「いわき市史・別巻 常磐炭田史」より
昭和2年 | 1937 | 1・1 | 健康保険法施行 |
1・9 | 磐城炭砿、第1回の健康保険組合会議員選挙を実施 | ||
1・13 | 磐城炭砿、山代吉宗を解雇。これを契機に磐城炭砿争議が発生 | ||
1・13 | 入山採炭、職工共済会の不正を追及した日本坑夫組合員を解雇。これを契機に、入山採炭争議が発生(第1次争議) | ||
1・15 | 磐城炭砿の小野田炭砿労働者、山代吉宗の解雇に対して会社糾弾の演説会を開催 | ||
1・26 | 磐城炭砿全山争議団、健保料会社負担・山代吉宗解雇撤回など15項を決議して要求書を会社に提出 | ||
2上旬 | 入山採炭、磐城炭砿争議応援に出動の鉱夫・組合員を解雇 | ||
2・18 | 磐城炭砿争議、妥結 | ||
2・20 | 入山採炭第一次争議、九州中島鉱業重役高野喜六らの調停で妥結 | ||
3・7 | 古河好間炭砿の労働者、退職手当制・8時間労働・最低賃金など16項目を要求し争議。50名参加 | ||
3中旬 | 古河好間炭砿、截炭機使用による集約区画採炭法の試行を開始 | ||
3・27 | 磐城炭砿の内郷炭砿町田竪坑坪下で大火災。死者134名 | ||
3・ | 金融恐慌起こる | ||
4・11 | 三井鉱山の藤原炭砿労働者、労働時間短縮ほか5項目を要求 | ||
4・12 | 入山採炭の第五坑で扇風機が故障。作業計画の変更を要求して鉱夫組合が争議団を組織し、入坑を阻止(第2次争議) | ||
4・13 | 王城炭砿の労働者、坑内人道の改修など5項目を要求して会社と交渉。妥結 | ||
5・6 | 入山採炭の第五坑南右四第五電卸で発破によりガス爆発。死者16名・重軽傷3名 | ||
5・19 | 入山採炭争議団、本部において入山採炭争議の惨敗宣言を出す | ||
5・27 | 王城炭砿の労働者300名、待遇改善など19項目を要求。13項目貫徹 | ||
7・ | 日本鉱山協会設立 | ||
10・9 | 白井遠平没 | ||
10・31 | 古河好間炭砿、元山坑を休山 | ||
この年 | 入山採炭、第五坑南卸で土砂充填による長壁式採炭法を採用 | ||
この年 | 日本鉱夫組合常磐地方連合会が結成 | ||
この年 | 磐城炭砿・入山採炭、従来の黒色火薬をダイナマイトなどの爆薬に切替える | ||
この年 | 福島県議会に「小名浜港修築ニ関スル契約ノ件」が提案される | ||
この年 | 鉱山懇話会主唱の下に全国主要炭鉱・鉱山に安全委員会を設立 | ||
昭和3年 | 1928 | 1・29 | 入山採炭、中信銀行から広野炭砿鉱業財団を買収 |
9・1 | 入山採炭、第六坑の開削に着手 | ||
9・ | 鉱夫労役扶助規則改正。16歳未満者・女子の深夜業・坑内作業を禁止 | ||
11・ | 山代吉宗ら、常磐鉱山労働者組合の組織に着手 | ||
12・ | 日本労働組合全国協議会(全協)結成 | ||
この年 | 磐城炭砿など7社、販売カルテル木曜会を設立 | ||
昭和4年 | 1929 | 2・3 | 河田無煙炭砿(田人村)の労働者、賃金値下げ反対でストライキ。参加46名、妥結 |
3・ | 磐城炭砿、茨城炭砿千代田本坑・第四坑の採炭を休止 | ||
3・ | 常磐炭砿夫組合結成 | ||
11・3 | 磐城炭砿で内郷炭砿住吉坑が本層に着炭 | ||
11・ | 古河好間炭砿、第二新斜坑の開削に着手 | ||
この年 | 世界恐慌始まる | ||
この年 | 磐城炭砿、茨城炭砿重内坑で山元・磯原駅間の軽便線にガソリン機関車を運転 | ||
昭和5年 | 1930 | 1・25 | 入山採炭の第四坑南二電卸でアセチレン燈より引火しガス爆発。死者9名・軽傷者3名 |
1・11 | 浜口内閣、金の輸出を解禁 | ||
1・ | 大日本炭砿、磯原砿の坑外運搬を馬からガソリン機関車に変更 | ||
2・10 | 大日本炭砿、販売機構を常磐無煙炭販売会社に移転を決定 | ||
2・ | 大倉無煙炭砿、大北坑の開削に着手 | ||
3・1 | 磐城炭砿、小野田炭砿を戸部光衛の斤先堀とする | ||
3・ | 大日本炭砿、高萩砿の坑外運搬を馬からガソリン機関車に変更 | ||
3・ | 常磐無煙炭販売㈱設立 | ||
4・ | 磐城炭砿、内郷鉱業公民学校を設立。十年四月から内郷村立内郷鉱業青年学校となる | ||
4・ | 大日本炭砿、高萩砿で手綱坑を開削 | ||
5・2 | 磐城炭砿、茨城炭砿重内坑を筒井唯一の斤先堀とする | ||
6・ | 不況により大倉無煙炭砿が270名、三井鉱山湯本炭砿が1,040名の大量馘首を実施 | ||
7・4 | 小田炭砿で坑内出水。死者5名 | ||
7・ | 磐城炭砿、全国送炭制限により内郷炭砿住吉坑の採炭を中止 | ||
8・19 | 常磐鉱山労組、福島県第一次共産党事件の関連で検挙・取調べを受ける | ||
8・22 | 不動沢炭砿(内郷村白水)争議団、大衆党などの支援を受けて解雇手当増額などを要求してストライキ。休山状態 | ||
8・ | 入山採炭、川平第一・二斜坑の出炭を休止 | ||
8・ | 三井鉱山、湯本炭砿を休業し、この地域における稼行を中止 | ||
9・15 | 石炭鉱業互助会設立 | ||
11・9 | 磐城炭砿の浅野総一郎没 | ||
この年 | 大日本炭砿、磯原砿を委託経営に移す | ||
この年 | 古河好間炭砿、女子の坑内作業を禁止し先山・後山の区別を廃止 | ||
この年 | 世界恐慌が日本に波及(昭和恐慌) | ||
昭和6年 | 1931 | 1・2 | 福島炭砿で炭酸ガスによる窒息事故。死者7名 |
1・7 | 福島炭砿争議団、社民党・労働総同盟の支援を受け、賃上げなどを要求して会社と交渉。全面解決 | ||
1・27 | 磐城炭砿の内郷炭砿で落盤事故。死者5名 | ||
2・ | 常磐鉱山労組、福島県第一次共産党事件後に臨時指導部を組織したが、再び検挙を受けて壊滅 | ||
3・ | 磐城炭砿、内郷炭砿綴坑で旧三星炭砿水没区域の湧水口にセメント注入法を実施 | ||
4・1 | 重要産業統制法公布。八月から施行 | ||
9・18 | 満州事変起こる | ||
11・ | 入山採炭、第六坑の開削を再開。翌年1月本層に着炭 | ||
この年 | 大日本炭砿、高萩・磯原砿を整理し、優良な勿来砿に全力を集中 | ||
この年 | 千代田炭砿、鉱害問題のため水準下の稼行が不可能となり減産 | ||
この年 | 炭価激落、トン当り20円を割り第一次世界大戦後最低となる | ||
昭和7年 | 1932 | 10・24 | 大日本炭砿の磯原砿唐虫坑労働者、未払賃金・労賃2割値上げを要求して280名がストライキ。暴動化 |
11・ | 全国的石炭販売統制機関として昭和石炭株設立 | ||
この年 | 磐城炭砿、内郷炭砿高坂本坑を閉鎖 | ||
昭和8年 | 1933 | 2・ | 石炭鉱業互助会、石炭鉱業連合会より分離独立 |
3・ | 入山採炭、新三坑を五十嵐炭砿の斤先堀とする | ||
3・ | 石炭鉱業連合会、石炭増産を加盟各炭鉱に指令 | ||
3・ | 古河鉱業㈱、金属部門を古河合名会社に移管し、古河石炭鉱業㈱と改称 | ||
4・ | 磐城・入山・古河・大倉の4社、常磐石炭販売㈱を設立 | ||
5・9 | 常磐炭鉱労働組合を中心に全協関係者検挙(福島県第三次共産党事件) | ||
5・ | 磐城炭砿で浅野翁頌徳記念館が完成 | ||
6・12 | 華川炭砿で坑内出水。死者5名 | ||
10・3 | 古河好間炭砿で昇降機激突事故。死者2名・重傷者5名 | ||
12・21 | 東久邇宮、磐城炭砿を視察し、綴竪坑に入坑 | ||
この年 | 女子坑夫の坑内労働・深夜作業が禁止され後山夫が急減 | ||
昭和9年 | 1934 | 3・9 | 大日本炭砿勿来砿でガス爆発。死者4名 |
5・ | 重要産業統制法、石炭鉱業の生産・販売両面に適用 | ||
9・ | 入山採炭、大倉無煙炭砿中郷砿を大倉鉱業から買収し中郷無煙炭砿と改称 | ||
10・29 | 磐城炭砿と三井鉱山の両社、第二磐城炭砿㈱を設立 | ||
11・ | 第二磐城炭砿、小野田炭砿長倉坑の跡を本坑として開坑に着手 | ||
この年 | 入山採炭、第六坑で通気竪坑周壁に安価で迅速なセメントガンを使用 | ||
昭和10年 | 1935 | 5・30 | 入山採炭第六坑でガス爆発。死者49名・重傷者3名 |
6・ | 第二磐城炭砿で長倉本坑の補助坑として開削の東斜坑が着炭 | ||
昭和11年 | 1936 | 1・ | 磐城炭砿、住吉坑を住吉本坑、高坂本坑を住吉一坑、高坂二坑を住吉二坑と改称 |
2・ | 入山採炭、川平第二斜坑の出炭を開始 | ||
3・ | 第二磐城炭砿で第二坑が着炭。四月から選炭を開始 | ||
5・15 | 茨城炭砿重内坑で鉱車の転覆事故。死者2名・重傷者10名 | ||
5・ | 重要産業統制法改正 | ||
6・ | 入山採炭で第五坑竪坑が完成 | ||
7・6 | 鉱夫労役扶助規則を改正公布 | ||
9・24 | 磐城炭砿、平発電所に6、000キロワットターボ発電機1台、日立製水管式ヤーロー気罐1台を増設し、運転を開始 | ||
9・ | 磐城炭砿、鮫川水力発電所の建設に着手 | ||
9・ | 日曹鉱業㈱、萩原申八から小田炭砿を買収。日曹小田炭砿と改称 | ||
10・19 | 大日本炭砿勿来砿で落盤事故。死者8名 | ||
10・ | 入山採炭、第六坑外に火力発電所を起工。翌年11月に竣工 |