ヤマはふるさと(常磐炭田物語)


書 名 :ヤマはふるさと
副書名 :常磐炭田物語
編 者 :草野日出雄
校 閲 :和田文夫(日本民俗学会会員)、大塚一二(福島史学会員)、武蔵野武夫(好間炭鉱且謦役、菅野勝雄(元常磐炭砿労働組合書記長)
発行者 :はましん企画
出版地 :福島県いわき市
出版年月 :昭和50年12月
価 格
ページ数
大きさ
抄 録 :あとがき
▼他郷の炭田には庶民のくらしを語る民俗史があるのにどうゆうものか常磐炭田にはそれが見当たらない・・・・。このことは、私の前著『写真で綴る「いわきの炭砿」』を制作する時に突き当たった体験であり、ここをふるさととする者にとっての憂えでもあった。
▼そんあことがきっかけとなり、昭和50年の6月から7月にかけて、仕事に暇が出来ると、むかい「たんやま」といわれた一帯を巡って探訪を続けた。記録写真などの無い時代の民俗yさ、坑内の習俗などを採録しようとしてである。
▼私に炭坑の経験は全く無いが、幸いにも、常磐炭
砿労働組合の閉山記念誌『地底との訣別』と題する本の制作をおおせつかったことから、昨冬来数ヶ月間というもの、徹底的に炭坑社会を調査見聞する機会が得られ、そのことが今回の取材活動をしっかり支えてくれた。
▼話者の体験はそのまま炭田史のひと駒でもあるという判断に立って、談話の裏付調査も忘れなかったsつもりだが、結論的には民俗・史学・技術・習俗の各権威者の校閲によって補正をいただき、世上に誤りを遺さないようにと気も配った。
▼挿絵は、記録写真に代る炭坑風俗画であることが私の念願だった。作者の菅原正之さんは、写真家の無理な注文を受け入れ、見事に必要な情景を描写した。私と菅原さんとは全く面識がなかったが、常磐炭砿を調査中にこの人なら描けると確信し、閉山後の転出先である川越市まで追いかけ事情を話した。菅原さんは『挿絵の経験はない、しかし、それがお世話になった炭坑といわきのお役に立つなら』と、武者振るいするほどの意気込みで作品を描き上げてくれた。この本ばかりでなく、いわきにとっても、貴重な風俗画になったとただ感激している。
▼常磐炭田には100年の歴史がある。だからこの本の物語はその氷山の一角に過ぎないが、いわきの開発と経済的発展に寄与し続けた炭坑企業と、そこで日々のくらしをたてた皆さんの労をねぎらい、話者共々謹んでこの一冊を捧げる。 
                 編者 草野日出雄
言 語 :日本語
所蔵図書館 :いわき市立図書館
内 容 : もくじ
第1話 親の死よりも稼がねば
第2話 哀切含む炭坑節
第3話 渡り坑夫と選炭娘の悲恋
第4話 加護求める坑夫の風習
第5話 切羽の怪奇
第6話 スコップ叩いて霊魂導く
第7話 腕を磨こうと孔くる坑夫
第8話 踊りの輪から一山一家
第9話 炭坑盆唄と背後の世相
第10話 スッポじばんを着た大正の坑夫
第11話 腰巻に後山の女心
第12話 町田坑の大事故を発見した橋本老
第13話 棺49並べ爆死体焼く
第14話 先山の夫と後山の女房が一緒に働けなかったはなし
第15話 炭坑で銀貨は残んねえ
第16話 坑内に死す朋輩鬼畜の形相
第17話 娘っ子、13歳で炭山稼業
第18話 タクワンオッカー、炭坑で稼ぐ
第19話 12歳で親分持った寺さん
第20話 財布を叩く繰り込み役
第21話 甲種合格を採用した古河好間
第22話 炭坑節唄いながら手選炭
第23話 切羽で発破もかけた先山かあちゃん
第24話 朝鮮までも募集に行った労務係
第25話 雪夜の折檻
第26話 円満送還で大臣賞の大日本炭砿勿来砿
第27話 アカパッパの労務観
第28話 好きでやったのでではないと公安員
第29話 暴動鮮人に軍刀をつきつけた労務係
第30話 捕虜坑夫救援機湯の岳へ激突
第31話 終戦で勝者の立場に立った588名の捕虜坑夫
第32話 終戦秘話、常磐炭砿の企業分離説
第33話 イレズミ男と渡り合う警備員
第34話 区長が泣いた結婚シーズン
第35話 坑口そばのアンコ屋
第36話 渦巻き先行で導火(みちび)に点火
第37話 水風呂に飛びこんで掘進採炭
第38話 頻繁だった炭券の横取り
第39話 炭坑の廃湯で熊見温泉
第40話 バッタが怖い乗り廻し
第41話 弁当の上に炭くずパラリ
第42話 炭坑女傑のアカパッパ
第43話 バッタリ番のいた目抜き坑道
第44話 切羽でタバコ吸っていた好間鉱
第45話 激烈な「あかまり」の苦悶
第46話 おれは炭坑の捲き手だった
第47話 ヤマに残っても再閉山の不安
第48話 内郷と好間の停年坂
第49話 ズリ山離愁
第50話 閉山四年後、中村社長の談話
あとがき
編者紹介
備考 : 

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